企業価値の考え方

5-24-2018

M&Aについて最も関心が高い事項の1つとして、譲渡される企業の価値はどのように決められ、どの程度の価格になるのかという疑問が挙げられます。今回は、譲渡価格の決まり方について見ていきましょう。
企業の譲渡価格を導く決まった計算式はありません。しかし、企業価格を算定する方法はいくつかあり、大きく以下の3つに整理できます。
これらの方法は、どれが優れているというわけではなく、それぞれにメリット、デメリットがあります。(※参照)。

1 企業の資産、負債の状況に着目し、純資産額などから評価額を算定する方法。
2 業の収益やキャッシュフローの状況に着目し、一定期間の収益などから評価額を算定する方法。
3 市場相場の状況に着目し、類似会社や類似業種の取引事例などから評価額を算定する方法。

算定に当たっては、どれか1つを用いるのではなく、併用して行われるのが一般的です。中小企業のM&Aの場合は、時価純資産に「のれん代」(年間利益に一定年数を乗じたもの)を加えた方法が多く用いられます。

(※)
A 資産・負債の状況から算定
簿価純資産や時価純資産から算定。価格根拠は分かりやすいが、「将来の収益が評価されない」などの見方もある。

B 収益やキャッシュフローの状況から算定
一定期間の収益や将来の収益予想などから算定。「実態と乖離するケースがある」、「不確定要素が多い」などの見方もある。

C 市場相場の状況などから算定
類似会社や類似業種の取引事例などから算定。「類似会社の選定が難しい」、「価格が高くなる傾向がある」などの見方もある。

 

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